煮干鰮らーめん 圓(エン)§7

「煮干の味が美味しくて、この店に通わせてもらってるんですよー」
私の話を聞きながら、店主さんはダンボールをガソゴソやってる。
そして振り返った。
手には二種類の煮干。
「これでね、スープを取ってんですよ」

店主さんは色々教えてくれた。
小さいのも大きいのも「カタクチイワシ」って言ってたような?カウンター越しに話してたもんで声が遠くて聞き取れなったの(-人-)ゴメン

小さいのは「正月の御節料理の『たつくり』に使うものですよ」とのこと。これはお腹が小さく油が少ない。そのためスッキリとしたスープが取れるそうな。
コレに対し、大きいのはお腹も大きく油も多い。そのためコッテリしたスープが取れるそうな。
この二つの煮干のブレンドでスープの味を決めてるんだって。店主さんは季節やら天気に合わせて二種類の魚のブレンドを微妙に変えながらスープを取ってるそうな。「まぁ、実験的にね、経験と勘でブレンドしていくんですよ。良かったらその煮干を食べてみて下さいよ」
…良いですか?
お言葉に甘えて頂きました。

頭だけカジッて写真を取らせてもらったよ。
「麺もね、小麦やら卵を色々試してみたりして、平麺が…」
麺の話しをしてる途中で団体さんがガヤガヤとお店に入ってきた。
10人も入れないくらいの狭い店内。
営業の邪魔になっちゃ悪いなぁ、と私は話を途中で切り上げ、
店主さんに煮干のお礼を言いお店を後にした。
帰り道を一人テクテク歩きながら考える。
「やっぱりコダワリがないと美味いもんは作れないってことかしらね?」
スープの話楽しかったなぁ。
うーん、麺の話しももっと色々聞きたかったのになぁ( ´_ゝ`) ザンネーン


つづく