視聴率貧乏神 7

ちなみに、私は現在もなお「ビンちゃん」である。
もはやコレは私の運命である。
では、具体例を挙げよう。

まず、フジテレビ開局50周年記念ドラマ「不毛地帯」。
あの「白い巨頭」の唐沢寿明山崎豊子の最強コンビ。
二匹目のドジョウを狙うべく、フジが渾身の力を込めた硬派な番組。
キャストも充実しており、画面からはフジのやる気っぷりが滴り落ちるほどだった。
しかしながら、蓋を開けてみれば全体的に視聴率は華々しくなかった。
電車の中吊りには「視聴率不毛地帯(笑)」と揶揄される始末。
「あの時間帯にアノ硬派っぷりなドラマをやるとはフジの懐の深さを教えられたわ」
マツコデラックスがこんな皮肉たっぷりの評価をしていたのを思い出す。
ああ、可哀相な「不毛地帯
なぜ、「不毛地帯」の視聴率はあれほど低空飛行を続けたのか?
実はアノ番組、私が見ていたのである。
しかも、第一回から最後まで録画してまで毎週欠かさず見るという律儀ぶり。
そう、噛り付いていたのである。
あの番組の視聴率が上がらなかった原因は私にある。
私が画面を通して強力な念を送ってしまったのである。
ごめん、唐沢くん、そして豊子さん。
フジに土下座したい。
見るのを辞めれなかった私を許して欲しい。

次に、私が毎週見ているBS番組「いのちドラマチック
劇団ひとりが司会の知的教養番組。
「ミツバチ」やら「ホワイトレグホン」など動物の生態やらナンヤラを紹介する番組。
「ミツバチがなぜ失踪したか?」
「ホワイトレグホンはなぜ毎日卵を産めるのか?」
とても興味深い話題を提供してくれるナイスな番組なのである。
毎回「へー」「ほー」と大げさに驚きながら私は見てる。
しかしながら、この番組にいたっては世間に存在すら認知されてないようだ。
視聴率がナイも同然らしい。
ああ、可哀相な「いのちドラマチック
なぜ「いのちドラマチック」の視聴率がナイも同然なのか?
アノ番組を私が見ているからである。
しかも録画してまで毎週欠かさず見るというコチラも大層な律儀ぶり。
そう、噛り付いているのである。
あの番組の視聴率がナイも同然の原因は私にある。
私が画面を通して強力な念を送ってしまっているのである。
ごめん、劇団ひとり、そしてスタッフの皆さん。
NHKに土下座したい。
見るのを辞められない私を許してちょうだい。


ちなみに、
私は「竜馬伝」も「サザエさん」も「笑点」も見ていない。
これらの番組の視聴率の堅調ぶりの原因は推して然るべきである。


このように私は今でも暗然とした超能力のような力を発揮し続けている。
神だから仕方ない。
学生時代の私が、事実を受け入れられ難かったのは致し方ないかもしれないが、
それは鉛のように重い、鉄の現実だったのだ。
「『鉛』のように重いんだったらぁ、『鉄の現実』じゃなくて『鉛の現実』じゃね?」
そんな突っ込みは却下する。