ぬこ§2


そして、この柏木さん(ネコ)
ちょこちょこ寄る先は我家だけではないのである。
なんと、この近辺の家をくまなく訪問しているようなのだ。
具体的には、隣りの一軒家に住む老夫婦の家にも出入りしているようだし、
三軒隣りの一人暮らしの若いネーチャンのマンションにも出入りしているようなのだ。
私が知らないだけで他の別宅がマダあるのかもしれない。
つまり、柏木さんは飼い主のアパートをネグラに別宅を数件歩き回って
アチコチで可愛がってもらってるようなのさ。
しかも、別宅ごとに違う名前で呼ばれているという見上げた図々しさ!!!!
老夫婦が「タマ」と呼んでるのを見かけたことがある。
うーん、名前まで変えるとは。
なんというプレイボーイっぷり!!!!
なんという遊び人っぷり!!!!
「コイツ、さびしそうだからよぉ、チョット遊んでやるんだよ。ついでに餌もまきあげてやってるのさ」
柏木さんに、ひっかけられた私。


私は柏木さんとは長い付き合いではない。
しかし、嫉妬してしまう。
「貴方、また、あの女の部屋に行ってきたでしょ?分かってるのよ!!!!」
こんな風に非難してみても
柏木さんは「みー、みー」鳴いて誤魔化し、
私のハートを捕まえて餌を欲しいままに要求する。
それに抗えない私。
この関係にズブズブはまってしまう。
昨日も我家にやってきて餌をねだって帰って行った。
あぁ、私って「ダメな男に貢ぐ女」属性。


「私とアノ人どっちが大事なの?」
そんな風には思いませんが(笑)