蜂の幼虫の味

私、食うものに好き嫌いはホトンドありません。
出されたらナンデモ食うし、何でも美味いと思います。
しかし、世の中は広い。
色んな食材があるもんだ。
私が食べた珍しい食い物シリーズをご紹介。


「蜂の幼虫」を食べたことがあります。

「珍しいもんあんぞ。今日の朝に取れたみたい。」
地方の友人の家に遊びに行った時に食卓に並んだ。
…コレ、生きてるやんか。
うごめく幼虫をナマのマンマでパクリと食う友人家族。
ビール飲みながらスナック感覚で食ってる。
「食ってみるか?」と笑う友人。
君が食えるなら俺だって…。
常々「好き嫌いはない」と口にしている俺。
「無理に食う必要ないよ」心配する友人をヨソに「俺も食う」


イザ食べようとするとね、やっぱり涙目に。
地味に動く幼虫さん達を手に掴むことは出来ます。
しかし、口に運べません。
友人の家族全員が俺を見る。
強烈な興味の視線が俺に突き刺さります。
心は焦るが体が硬直して動きません。
しまいにゃぁガクガクブルブル震え出しちゃった(((゚Å゚)))ガクブル
だがしかし、ミンナの期待を裏切る訳にはイカンでしょう。
幼虫さんが口の中で地味に動いたらモウ飲み込めない。
勝負は一瞬。
勇気を持って口に放り込む。
そして、一気に噛み潰す。
プチっていう食感と共に、薄い皮が破れて中からトロリとした液体が口に広がる。
…なんつーかクリーミー、軽い苦味もあったなぁ。
食い終わったら緊張が解けたのか、俺、マジで涙を流してしまいました。
「テレビのバツゲームみたいで面白かった」
友人家族は涙を流す俺を見てゲラゲラ笑ってたな。
よく分からんが俺も涙流しながら皆さんと一緒にゲラゲラ笑った。
気絶しそうになりながら&涙流しながらもね、
幼虫を生で食ったことで友人家族の中に入れてもらえた気がしたよ。


ドコかに自分が行った時、その土地の人と仲良くしたい。
しかし、土地の人は「ドコの馬の骨かワカラン奴が来た」
と遠巻きに自分のことを見てます。
観察されてます。
ドコの馬の骨の俺は、皆さんの輪の中に受け入れてもらいたい。
受けれて入れてもらいたいなら、向こうの慣習に溶け込むことが必要です。
慣習に溶け込む一番の方法、それがコレ。
「その地方でしか食べない食材を勇気を持って食うこと」です。
そうすると、彼らはドコの馬の骨の俺を劇的に受け入れてくれます。
これはドコに行っても言えること、海外でも同じことが言えます。
「こんなの食えないよ」なんて坊ちゃんみたいなことを言うのは私の好みではない。
「食えないなら飲み込め、口にねじ込め」が俺の信条です。
この蜂の幼虫の経験を通して学んだのは、
食えば仲間意識を持ってもらえることでした。
「仲良くしたいなら食え」です。


この経験の後、俺はドコに行っても必ず食事の話をするようにしてます。
そして、ソノ地方でしか食わない食べ物が出た時には率先して食う。
仲間に入れてモライタイならソノ土地に溶け込め。
一番良い方法は、その地方特有の食材を食うこと。
これは俺の経験から得た知識です。
皆さんも勇気を持ってお試し下さい。


私が食った珍しい食い物シリーズ。
第二回もあります。
お楽しみに。